日本語要約|国際抗てんかん連盟(ILAE)の報告
乳児のてんかん発作の診療における推奨事項の要約 ― 国際抗てんかん連盟の小児部門委員会報告
Summary of recommendations for the management of infantile seizures: Task Force Report for the ILAE Commission of Pediatrics.
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要約の抜粋
- 国際抗てんかん連盟では、データに基づく乳児てんかんのガイドラインがない現状を考え、診療のための合意事項をまとめました。
- 乳児期のてんかん発病率は他の年齢帯に比べて最も高いですが、てんかんの中でもWEST症候群(infantile spasms)は単一てんかん分類としては最多を占めます。
- てんかん発作を疑う異常な動きがある乳児では、通常の脳波検査よりビデオ脳波記録が有用で、患者さんの保護者による動画記録も有用です。
- 1次から2次医療機関で治療開始後、1剤目で抑制できないときには3次医療機関に転医し加療を受けることが推奨されます。
- WEST症候群などのてんかん性スパズムを有するてんかんでは、理想的には長時間脳波で診断することが推奨されます。
- WEST症候群の短期治療効果ではACTHが好まれ、経口ステロイドもおそらく効果があると推定されます。
- WEST症候群での発病から治療開始までの期間は神経発達に影響します。
表2 重要な推奨事項の抜粋
- WEST症候群(infantile spasms)は単一てんかん分類としては、乳児てんかんの13〜45.5%を占め最多で、決して稀ではないてんかん症候群です。
- WEST症候群の診断は、疑うことから始まります。覚醒時、睡眠時、出眠期を含んだ十分な時間をかけた脳波検査は最低限必要です。24時間ビデオ脳波は、特徴的な脳波であるヒプスアリスミアや発作時脳波を記録するのに最も良い検査です。MRI検査も行われるべきです。
- 治療開始時期は、てんかん発作以外には全く異常がないように見える子では、初回発作の後には"wait and see"つまり「様子を見ましょう」戦略が妥当とも言われています。
- しかし、WEST症候群を含む"てんかん性脳症"、つまりてんかんの発症とともに発達が停滞、退行してしまうてんかん症候群に対してはこの戦略は該当(適用)しません。なるべく早期に十分な量の抗てんかん薬などによる治療が必要です。なぜなら、発症してから治療開始までの期間が長期的な発達予後を左右する可能性があるからなのです。(期間が短いと発達が損なわれない可能性が高まります)。
- 1剤目の抗てんかん薬治療が奏効しなかった(効果が不十分であった)場合にはより専門性の高い医療機関による診療がすすめられるとされています。(訳者注:日本においては1剤目の抗てんかん薬治療から小児神経科医による診療がすすめられています。)